昨日の続きです。
サービス運営に関する回答の考察です。
長いので分割して順次掲載します。
#Q01(参加者)
日本ではフリーメールを利用してアカウントをいくつでも作ることができますが、このフリーメールで
アカウントを取得できることが不正ツール利用者の温床になっているのではないですか?
(ガンホー)
ラグナロクオンラインでは月毎の新規アカウント登録者数の4分の1程度がネットカフェからの
お客様になっております。その為、ネットカフェ戦略も非常に重要な要因として考えており、
ネットカフェですぐにゲームが始められるようフリーメールでの登録を許可しております。
(考察)
よく考えてみると、これ、答えになっていませんよね?
フリーメールアカウントでの登録の理由はわかりますが、「犯罪行為の温床になっているんじゃない
ですか?」の質問に対しての回答がありません。
「弊社ではお金を払って頂けさえすれば身元がわからない人間も入場させます。
迷惑と思われても当事者間で何とかしてね」
と受け取っても良いのでしょうか?
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#Q02(参加者)
ヘルプデスクやゲームマスターの方は何名くらいですか?
(ガンホー)
ゲームマスターとカスタマーサポートのスタッフは全てのアトラクション合わせて43名となります。
(考察)
各地で公開されて有名な回答なんですが、私なら追加質問したいですね。
「43人という人数で万全な管理が出来ていると思われますか?」
→Yes
「1ヶ月間のBOTの通報件数と対処件数を教えて下さい?この数字でも充分とお考えですか?」
→No
「出来ていないと思われるならば、人員の補強は考えないのですか?」
唯一ガンホー社の一存で掛けられるべき「金」すら掛けませんと言う事ですよね。
自社の一番の稼ぎ頭がこの状況で、サポート顧客満足度ワースト1の烙印を押されても
「改善しなくては!」という危機感はないって事ですよね?
本当にやる気があって、お金が掛かってでも何とかしたいので有れば、私ならば例え口だけでも
「やる気はあるが人員不足」
「やる気と実力がある方を採用します」
「誰でも門戸を叩いて下さい」
とでも言っちゃいますね。
それを聞いて入社する意志を持つ人が何人居るかは未知数ですが、
「ROがどうしても大好きで世界を変えたい」
プロ意識を持った方が裏方覚悟で飛び込んで来るかもしれません。
「43人です」と恥ずかしげも無く言えちゃう会社と顧客の温度差って、こういう所で感じるのです。
失礼ながら、現在のガンホー社に「プロ意識」が見えないのは私だけでしょうか。
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#Q03(参加者)
ガンホーがどこまでできて、グラヴィティ社がどこまでできるのかを教えていただけますか?
(ガンホー)
契約上の問題で全てをお答えすることはできません。
ゲームプログラムだけの話に限って言うと、弊社でカスタマイズが可能なのはNPCのセリフや動作を
制御するスクリプト(※3)部分だけとなります。不正ツールの原因であるパケット通信などの
ソースコード (※4)は弊社では保持しておりません。
※3 「スクリプト」:簡易なプログラムのこと
※4 「ソースコード」:コンピュータープログラミングをする際プログラム言語で記述された設計図のこと
(考察)
ソースがない状態で商用運用すると言う事は、トラブルが起きたときにすぐに対処できないと
言う事ではないでしょうか?
重力社からの常駐人員が現在1名居るとの事ですが、24時間稼働しているシステムで1名って
明らかに手薄ではないでしょうか?
8時間週5日勤務として、比率的に見て稼働時間の25%程度しか存在しない事になります。
もちろん大規模なバグ発生時はそのメンバーだけではないにせよ、せめて3〜4交代+代替人員で
必ず1名の常駐人員が確保できるくらいの体制は取るべきではないでしょうか?
ゲームとはいえ、大規模DBを搭載した商用アプリケーションです。
エンターテインメント会社が自社商品をないがしろにしていると感じるのは、こういった点です。
絶対に「何か問題があっても所詮ゲームだから謝ったら済む問題だ」と感じているようにしか
取れません。
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#Q04(参加者)
ゲームマスターがプライベートアカウントを持っていると思いますが、把握されていますか?
またプライベートキャラクターを利用することによって公私混同が発生することは無いのでしょうか?
(ガンホー)
ゲームマスターが使用しているアカウントについては、業務用、プライベートアカウントも含めて
全て会社として管理を行っております。
またゲームマスターはユーザー様と同様なプレイを行っていることもありますが、業務において
ゲームに携わっていることもあり、基本的にはユーザー様の動向などをチェックしていることが
多いと思われます。情報漏えいに対する人的リスクに対しては、入社時の秘密保持契約、
社内規定により統制をはかっております。
(考察)
正直回答するのが疲れてきました(汗
上記の機密保持制約云々の話は、全てのGungHo-IDについて実在する人間であり、
本人確認を実施したうえで効果を発揮する話です。
ガンホー社では24時間社員の挙動をいちいち観察しているのでしょうか?
そんな会社、私だったら絶対に耐えられませんが…。
誰もが匿名アカウントを取得しても判らない状態です。
ネットカフェという閉鎖的空間で本人確認もなくプレイ可能です。
まだ現状では匿名口座や借名口座が巷には存在しています。
一般家庭には固定IPでの接続なんて珍しい方です。
少なからずRMTやBOTと言った、現実的な金銭を絡む不祥事がクローズアップされている訳です。
金融機関職員ですら横領に手を染める人間は居ます。
警察官だって役人だって悪事を染める人間はどんな職業でも居ます。
もちろん全てのその職業の人間が悪い訳ではなく、問題なのは悪事に手を染めた本人です。
チェック機構もない状態で「多分大丈夫でしょう」なんて言うのは愚の骨頂です。
その発言に会社として責任は取れるのでしょうか?
どうせ明るみに出ても揉み消してしまえばと考えているのでしょう。
明確な証拠なんてどうあがいても掴みようがありません。
今更チェックできない過去をどうこう言うより、今後チェックを漏らさない体制を強化するという
前向きな話が聞きたいのです。
傷口を隠蔽して取り返しの付かない状態で切除するしかなくなるより、膿を出し切ってから
傷口を消毒すれば、お互い痛い思いは最小限ですむはずです。
嘘を嘘で重ねるより、懺悔してそれでも付いてきてくれる顧客とともに、信頼回復を取るしか
ないでしょう。
10年前に誰もが知る大会社だった「雪印」という会社は見るも無惨になりました。
鳥インフルエンザという天災を隠蔽してしまった結果、老夫婦はどうなりましたか?
もちろん食とエンターテインメントと、重要度は違うでしょう。
でもプロ意識を感じられなくなったら、業界人としておしまいではないでしょうか?
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#Q05(参加者)
極端な話ですが、ゲームマスターはプライベートキャラクターを持たない方が良いと思うのですが?
(ガンホー)
ゲームマスターにプライベートアカウントの所持を許可している理由は、一般ユーザーの皆様と
同じ目線に立って、業務とは違う角度でワールドの状況を把握させるためです。
(考察)
私はプライベートアカウントは否定しません。
但し、プレイスタイルは制限されるべきでしょう。
・一般プレイヤーのギルドには所属しない
ギルド勧誘の言い訳にもなるので、ソロor社員ギルドにでも所属させる。
・攻城戦には参加しない
・人数限定のクエストは遠慮するか、時期外れまで待つ
・相場操作等の一般プレイヤーに多大な影響を与える行動は行わない
この程度のポリシーを守った上で、プレイされるので有れば問題はないと思います。
これは、情報の精度や量を考えても、一般プレイヤーより明らかに有利だからです。
現実のインサイダー情報とほぼ同じでしょう。
もちろん、全社員のアカウントを把握できた上で、プレイログを精査できないと現実的に無理な話
なのですが…。
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#Q06(参加者)
ゲームマスターのプライベートアカウントを把握されているとの事ですが、ウソの情報などでアカウント
を取得したり、ネットカフェで遊んでいるということは無いのでしょうか
(ガンホー)
ゲームマスターは社内で仕事をしているだけではなく、オフラインイベントなどで社外での仕事も
ありますので、プライベートでコツコツと育てている時間はないと思います。
(考察)
上でも書いた話ですので省略します。
しかし、この会社は責任者が「プライベートな時間を含めて社員の動向を保証」出来る会社
なんでしょうか?
上の会話が本当だとしたら、明らかに労基法無視じゃないですか?
プライベートな時間を削って社外の仕事をやってるって事になりますが…。
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#Q07(参加者)
ゲームマスターは自分が担当するワールドが決まっているのですか?
(ガンホー)
現在はセクション単位で担当を持つという形で運用を行っております。
(考察)
詳しくはわかりませんが、例えば6ワールドを4交代でといった感じなのでしょうか?
その程度にしないと、受け持ち担当が1名休むと当日そのシフトでの作業が滞ります。
当然常時2名体制で1名欠員が出ると、単純に見て作業効率が1/2に落ちます
正直言って、少人数の所をセクション分けをして効率が上がるとは思えません。
むしろ、18ワールド同じようなパラレルワールドが存在する以上、1セクションとして動く方が
効率的のように私は思います。
パラレルワールドである以上、ルーチンワーク化出来る部分は沢山あります。
そういったところで効率よく作業を行い、個々のイレギュラーな対応に時間を割く方針で行けば
少人数でも効果的に仕事が進むと思われます。
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#Q08(参加者)
ゲームマスターにはランク付けがあるのでしょうか?
(ガンホー)
はい、あります。詳細はお答えできませんが、アカウント停止やゲーム内アイテム作成などが
行えるのは一部のリーダークラスのゲームマスターだけとなっております。
(考察)
ここでGMの権限管理が出来るとおっしゃっています。
どの程度かは判りませんが…。
この件についてあとで気になる部分があるのですが、その質問で考察します。
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#Q09(参加者)
ゲームマスターの中にアルバイトの方はいらっしゃいますか?
(ガンホー)
過去にゲームマスターサポーターという形でアルバイトの学生を2名採用したことはありますが
現在は全て正社員での雇用形態となっております。
(考察)
私はアルバイトである事に、特段違和感は感じません。
はっきり言ってアルバイトでも意識の問題です。
「自分の労働の対価を報酬として受け取っている」と考えて仕事をしている人ならば、正社員
よりアルバイトの方が使えるでしょう。
今の時代、「サラリーマシーン」に成り下がっている人間は多いのですから。
同じ予算で有れば、成果に見合った報酬を出した上で、守秘義務を守れるので有れば
アルバイトを使うのは全然問題ないでしょう。
少なくともBOT多発狩り場のパトロールやログ解析など、手作業で掛からざるを得ない、また
量的に工数を要する部分は、人員が足りない以上アルバイトを使っていないのは経営努力が
足りないと言えます。
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#Q10(参加者)
24時間のGM(ゲームマスター)コールの実装は考えていますか?
(ガンホー)
ラグナロクオンラインの構造がGMコールを想定して作られていないため、考えておりません。
(考察)
「想定していないから考えていません」
ではなく、意見を否定するときに代替案が出ないのはプロ失格でしょう。
「私たちはお仕着せのシステムを稼働させてるだけしかできませんよ」
と言っている訳です。
「現在のシステム上そのままの実装は困難ですから、代わりにリアルタイムでこういう手段を
取る事なら出来ますよ」
だとか、
「ヘルプデスクで投稿した記事はすぐに待機しているGMに連絡され、待ち時間が表示される
ので、お手数ですがそのまましばらくお待ち下さい」
でも良いのです。
ゲーム内のGMコールだと確かにWisが埋まるかもしれません。
もちろんゲーム内で完結した方が良いとも思います。
少なくとも、GMコール当てのチャットメッセージのパケットだけを別システムでモニタリングして、
一人がマネジメントすれば、手の空いたGMに効率よく分散する事だって出来ると思います。
何も運営側が一般と同じクライアントを使用する必要なんてないのです。
過去にプレイヤーが公開した支援ツールですらチャットログ収集機能があるのです。
その程度のシステム連携も想定できないのはナンセンスではないでしょうか?
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#Q11(参加者)
ゲーム内のパトロールなどにおいて、ユーザーからボランティアを募る予定はありますか?
(ガンホー)
現在のラグナロクオンラインのシステムでは、お願いするとしてもゲームマスターの簡易版の
ような機能を持たせたキャラクターを作ることができないため難しいと思います。
(考察)
実はおわかりかと思いますが、これは私の質問です。
ミーティングでは時間的な制約もあり、細かい部分は指摘できませんでした。
ミーティング後色々な情報を整理した上で、更に気になる部分としては幾つかあります。
・上の回答でもありましたが、GM権限はコントロール可能な領域が分かれているので有れば、
そのまま最低限の機能をサポーターに提供する事も無理なのでしょうか?
・少なくともガンホー社にそれを作る権限も技術者も居ないとはこれまでの質問から判りましたが、
重力社に提案することは出来るのではないでしょうか?
少なくともイベントGMと言うキャラクタクラスは居るのです。
2-2次職にせよ、新実装のモンスターにせよ、かなり後になって追加された要素もいくらでもあります。
・サポーターの権力乱用が問題になりそうなら、「サポーター」のジョブクラスを追加し、以下を行う
だけでかなり回避できるでしょう。
◎モンスターへの直接攻撃は出来ない
(当然経験値カウントは行わない)
◎各種支援スキル+ポータル、セイフティウォール、デス程度のスキルは使用可能
(アイテム消費不要)
◎街指定でのポータル発動及び、座標指定でのテレポート可能
◎モンスターのターゲットには影響しない。
◎ドロップアイテムを拾えない
◎チャットログ及び取引ログ、スキルログは完全に収集氏、ガンホー社で管理・証拠保全。
◎サポーターからの他のサポーター、GMへのホットラインを準備する。
システム的にはPTチャット、ギルドチャットの流用でも構わないと思われる。
◎サポーターの対応に疑問を感じた一般プレイヤーの窓口をヘルプデスクに設置
→プレイヤーのQ&Aに正当な答えが返せなければ、取得ログを精査の上調査を実施
問題行動が有れば処分
◎サポーターの行動に際し、活動日誌を提出させる。
→予告無く未提出が続けば免職
この内容を実装した新しいキャラクタクラスを準備し、正式な契約という形で書類審査、トレーニング
のあと面接を実施した上で秘密保持契約を締結してしまえば、実現出来そうだと思われます。
もちろんそのあとのリスクを考えるともちろん簡単な判断は難しいかと思いますが、プレイヤーレベルで
任せられる部分は任せてしまった方が、自治という面を考慮しても末永い運営が可能になってくる
でしょう。
完全に無報酬という点が抵抗があるので有れば、報酬は出せないにせよ、メインアカウントの
課金免除を行うなど「アルバイトとしてみたら馬鹿らしい」程度でも対価になります。
ROは好きで時間はあるといった層の方に、運営の手伝いをして人手が確保でき、やりがいを
もってもらえれば、どちらにとってもメリットであるかと思います。
◆◇◆◇◆◇◆
長いので一旦区切ります。
ざっと見、e-mailを開けていないようなのでこちらで失礼します。もし削除できるなら、読まれた時点で削除してしまってください。
何があったにせよ、どんな形で引くにせよ、死者にむち打つことを見ぬ振りができません。しかも言うならば、その最期は正しく裁かれたわけではありませんので、正当な引き合いとも思えません。
もしこの言葉が届いたならば、こっそりと手を入れ、これを削除して戴けましたら幸いです。
Ragn@thoR さま
コメントありがとうございます。
この騒動で、何度か立ち寄らせて頂いております。
ご意見は厳粛に受け止めます。
本日のエントリーをご覧頂き、私の真意を汲んで頂けると幸いです。
あと、メールアドレスですがコメントにしか張っていなかったようです。
サイトにも後ほど掲載しておきます。
申し訳ありません。e-mailではなくコメントだということでぼかした部分が、やはり伝えることができなかったみたいです。
今回の件はがんほーとも堀氏とも無関係で、また無関係だからこそ気になったことなのです。オモテにもアドレスを張っていただいたので、詳細は追ってe-mailにてご連絡さしあげたいと思います。
Ragn@thoRさま
度々すみません。
いまのコメントで、どの部分かは察しました。
言葉足らずで申し訳ありません。
ただ、鞭打つつもりで提示したわけではありません。
あの事件は事実を黙認したが為に、悲しい結果を招いてしまったと
いう事実を提示したかっただけです。
確かに非常に後味が悪い事件でした。
私は現在の簡単に他者に「死ね」と言える文化は大嫌いです。
ただ、誤解を招く表現をとってしまった事をお詫びいたします。
I'm looking forward to your suggestion.
Date:2006年02月03日 13:07