昨日、ガンホー社のIPOの公募があったようです。
投資家たちにとっては非常に人気度は高かったようです。
現実には公開日まで市場価格は判らないんですが、保証金(性格には購入証拠金)を預けた
上で「売り出し値で買いたい」と言う人全てに割り当てられなかったのですから、現状では120万円
以上の価値があると判断されたことになります。
元々、IPOと言うのは上がるときには非常に上がる(購入時の数倍〜数十倍)らしいので、人気は
高いそうです。
経済学部パソコン学科卒業の人間には余り詳しく説明できませんが…(苦笑)
横道に逸れましたが簡単に言うと、抽選で公開価格(今回は120万円)で購入できる権利を持った
人が、購入してすぐに、「もっと高くても良いから欲しい!」と言う人に転売することが可能なのです。
例えば、「私は150万円出してでも良いから欲しい!」「200万円でも良いから売ってくれ!」と言う
人が株式上場当日に現れると、その瞬間にそれぞれ30万円、80万円の利益となるのです。
もちろん、買い手が付かなければ逆も起こりえる訳で、市場価値が認められないと、「100万円
以上なら要らない…」「50万円でならなんとか!」となったら、120万円で買ってしまった訳ですから、
20万円、70万円の損害となるのです。
但し、株を買う人がこの先の行く末を知っている人とは限りません。
勿論、株式公開の前提として「目論見書」と言う冊子を公開する義務があります。
その情報を元に、「投資に値する企業かどうか」を投資家に見極めて貰う必要があります。
投資家に見向きもされなければ、当然株式の価値は下落します。
この先も資産価値があると判断されれば、株価も上がる訳です。
…と、ここまではこれまでの株式のあり方だったのですが、先日まで週刊の漫画雑誌に連載されて
いたりもして、お気づきの方もいるかもしれませんが、現在はデイトレードという方法も主流になって
います。
デイトレードはあくまで「当日の変動幅を読んだ人間が勝ち」である投資方法です。
株式の世界では、朝一番と終わり間際の価格差が大きく違うことや、一日でも変動を繰り返す
ことがあります。
その、「安値で仕入れて高値で放出する」を1日の中で完結させるのがデイトレードです。
場合によっては「現在の株価と同額を担保にして、先に株を売ったことにする(空売り)」という手段
もとれるので、投機性が非常に高い、いわばハイリスクハイリターンなのですが…
価格が大きい株ほど当然変動率は大きい為、その材料にされる危惧があるのです。
# 価格が小さくても大量に流通して値動きが多ければ同じくデイトレードの材料にはなります。
その高値のタイミングで、公開していない手持ちの株式を少しずつ市場に放出してこないとは
限りません。
但し、今回は少なくとも上場後6ヶ月間はソフトバンクBB社もアジアングルーヴ社も市場への売却
を行わないと言う条件での公開なので、少なくとも9月まではその心配はないのですが…
一部社員へ供与された新株予約権(ストックオプション)も、来年7月までは単なる紙きれです。
また、権利の行使には28万円をガンホー社に納める前提から、株価がそれ以下になれば全然
意味を成さないのは理解できるかと思います。
気になるのは山々ですが…。
当然私はそんな大博打に乗れるほどの給料なんて貰っていませんので、なま暖かく見守るだけ
です。
しかし、投機筋にこの状況を受け入れられるのであれば、残念ながら、ROに苦言を呈する以前に
もっと憂うべきなのは変わってしまった日本社会なのかもしれません。
残念ながら企業モラルより自分の利益が一番と言う結論にしかなりませんから…。
高度経済成長期、プロジェクトXなどでよく取り上げられる時代です。
その当時の日本人の考え方の全てが美徳とまでは言いませんが、その末期に生まれ、自分自身が
生きてきた社会の変化を、なんだか別世界に居る感じが否めません。
生活水準は豊かになったのかもしれません。
自宅であらゆる情報を瞬時に取り出せ、移動していてもコミュニケーションがとれ、
24時間欲しい物を購入でき、飲食できる時代になりました。
物質的には豊かになったのは紛れも無い事実です。
また、確かにお金さえ有れば、この世の中解決できる事は多いのですが…
ただこんな事は、残念ながら大声で叫んでも「持たざるものの僻み」にしか聞こえてくれません。
おそらく取り残された人間扱いをされるでしょう。現代社会は弱肉強食ですから。
自分で成功して、自分の信念に基づく会社運営が出来ないと、青臭い理論でしか無いのでしょう。
とりとめもなくなったので、この辺で完結してみることにします。