2005年02月06日

【参考資料】目論見書の問題点

 先日、上場を決定しましたガンホー社の目論見書ですが、様々なところで突っ込まれているよう
です。
 二番煎じ覚悟で言及してみたいと思います。

 ちなみに余談ですが、一応経済学部卒業ですが、
配布用の入学案内の資料に「経済学部パソコン学科」などと紹介された過去もあるくらい、
学問はほとんどダメダメですので、突っ込みどころが満載なのは言うまでもありません(苦笑
 しかし、そんな不真面目な学生を大学案内に登場させる学校って一体…(汗)

1.ROへの依存度の高い経営
 前期(昨年1年間)で、売上比99.8%というのは、平たく言って
RO以外の売上はほとんどありません
ということになります。

 ここで注意すべきなのは「利益云々以上に売上がない」のです。
 利益改善以前のお話にもなりません。

 その割に、高収益で有るROで散々叩かれている状況をどう思われているのでしょうか。

 ちなみに、99.8%がROである…
 ということは、残りの0.2%がその他になりますが、金額ベースでいくらになるのでしょうか?
  1,962,534-1,959,189=3,345(千円)(目論見書内データより計算)

 わずか334万円しか売上がないのです。
 この金額では人件費1人分すら出ません。

 つまり、
 ・他の商用サービス中のゲーム収入
 ・その他付随事業収入

 トータルでこれだけの売上しかない以上、通常で有れば既存のドル箱を少しでも長持ちさせる
施策に走ると思われるのですが…。

2.実は無かった「独占契約」
 以前ゲームサイトで報道されていました、重力社との独占契約ですが、実は既に効力は無く、
その代わりに「現ライセンスの1ヶ月前からの優先交渉権」に差し替えられているようです。
 従って、交渉期間中に重力社が首を縦に振らなかった場合、現契約の満了日を以てガンホー社
はROに関する全ての権利を手放すことになります。

 次の契約満了日は2006年8月31日…
 あと1年半ほどです。

 正直、自社開発にせよ他のゲームにせよ、固定客が有る程度定着しない限り、交渉が決裂した
瞬間に崩壊するのは目に見えています。

3.平均勤続年数の低さ
 ガンホー社の平均勤続年数は1.0年とのことです。
 残念ながら、このデータだと「長期のバイトの方がまだ忠誠心がある」としか感じられません。

 アルバイトやパートが悪いとは私は思いません。
 真面目に職務をこなしてさえいれば、充分な戦力になるでしょう。
 逆に、正社員でも職務をこなせない人間は、無駄飯食らいなのです。

 顧客を蔑ろにする以上に、一般社員を蔑ろにしているのではないでしょうか。
 顧客が企業を侮蔑するのは、サービスに満足できていない現れです。
 そんな時、会社が社員を守れなければ、士気も忠誠心も感じられる訳がありません。
 そんな環境が、サラリーマシーンを養成してしまうのです。

 この数字は会社として従業員を守れていない現れにしか感じられません。

4.会員数の粉飾
 累計会員数であることは明言しているものの、削除されたIDや、架空登録IDについては一切言及
されていません。正直なところ、弱みになる部分をわざわざ書く必要もないのかもしれませんが、公然
の事実である以上、隠している行為に卑怯さは否めません。

 ちなみにガンホー社擁護の意図は毛頭ありませんが、

・プロバイダの会員数獲得
・クレジットカード発行枚数
・新聞勧誘
・携帯電話の契約数

 この辺全部、場合によっては景品やキャッシュバックを付けていますが、これらは全て会員数獲得
の為、悪く言えば水増し工作です。場合によりけりですが、時々架空の契約書をでっち上げた人間
が、責任者共々処分される事件が時々起こるのはこの為です。

 ちなみに上の業種を幾つか経験していますが、内部はかなり凄まじかったのは言うまでもありません。

 こういった「見せかけの数字でも整えば問題がない」としている風潮が、こういったあからさまな工作を
跋扈させている原因なのですが…。

5.幻の「オンラインゲームポータル事業」
 これはおそらくオフラインミーティングで言っていた、ファンサイトリンクの延長線ではないのかと思うの
ですが、2億円近くの金額が今期に特別損失として計上されています。
 詳細を要約すると、重力社と合弁で推進していた韓国RoPlenet CORPに出資していたものの、
予想以上の不振の為に事業整理が決定し、日本でも導入を断念したとの内容です。
 果たして2億円の価値があったかどうかは定かではありませんが、一応こんな計画もあったようです。

 しかし、2億も掛けて開発して、別料金でも取るつもりだったのでしょうか?
 ファンサイトリンクにそこまでの規模はおそらく望んでいないと思うのですが…。

 一杯すぎる突っ込みどころにすでにいっぱいいっぱいです。
 気が向けばまた取り上げます。

 分量が多いのですが、もし興味が有ればさらっと目を通してみても良いでしょう。
 なかなか理解しにくい部分はあるかもしれませんが、会社としての方針が一応は載っているようです。


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