こういうニュースでいつも思うのが、一部の見苦しい人の存在です。
確かに高圧的だったり、顧客からのキャンセルに制約があったりする販売店だと、一方的なルール
違反にも寛容にはなれませんが、それでも「ゴネれば何とかなる」「無理を通せば道理が引っ込む」
という人の多さに閉口します。
この問題は、確か昨年の丸紅ダイレクトというオンラインショッピングサイトで一桁間違って掲載して
しまった際、匿名掲示板上で事実を知った人々が一斉に申し込みを行った事件が
ありました。
この際、チェックが甘かったのか、公開後10時間以上経ってから間違いに気づき、取り下げた
ものの、時既に遅し、ネット上で騒動となっており、商社としての信頼を重く見た丸紅が約1500台
の注文を正式受注してしまったという経緯があり、その後『ゴネた者勝ち』という風潮が強くなったように
感じます。
この後、丸紅ダイレクトは事業廃止という後味の悪い結果となってしまったわけなのですが…。
20万円のパソコン1500台を2万円で売ったとして、仕入れ値で多少安くなったとはいえ数億の
損失となる以上、当然ながら大問題です。
今回の元記事では、
> 今月5日、約15万円で販売する予定だった液晶テレビの価格を、誤って約1万5000円と
>表示、6400人から計4万800台分の注文が殺到した。
一人平均5〜6台も申し込んでいることになり、明らかに露骨な確信犯的な方も居るのでしょう。
不確定情報ですが、一人で1000台申し込んだ人が居るという話もあるそうですけど…(汗)。
しかし、この手の問題は珍しい訳でもなく、システム上でいくらでも最悪の事態は回避可能なのに、
各社とも対岸の火事なのか、後を絶ちませんよね。
・システムに仕入れ原価を反映させて、一定の利益率を確保できなければ(または原価割れ時に)、
手順上承認処理を必須にする。
・毎日の平均受注数を大幅に越える受注に警告を出す。
・受付を一時停止させる、需要予測の上で現実的に売れる上限数を販売限定数にする
ページ全体に目を通せず、あくまで確認と言ってもデータベースのレコード単位でしかチェックが
出来ないのは明白である以上、人為的ミスなんていくらでも考えられるのです。
コンピュータの世界で1バイト違うと言うことが、事実の収拾に大幅な収益減少に繋がる以上、
多少のコストで「ミスが激減する仕組み」という物が実装出来るのですから、目視だけではなく、この
ような思いつく回避策も幾つか有るのですが、全く教訓を活かさずに『錯誤による契約で法的に無効
だ』を主張する販売店にも確かに辟易するのですけどね…。
普段は一方的に消費者にペナルティを押しつける販売店には、逆にこういった機会につけ込まれる
危険性も考える必要があるでしょう。
「日本人的美徳」とは言い過ぎかもしれませんが、この風潮を見ていて何か残念でなりません。
ミスがないことが、どちらにとっても一番であるのは紛れもない事実なのですから。