先日のエントリで書いた部分の補足になります。
以前にも何度か書きましたとおり、RMT自体は罪でも何でもありません。
秩序が保てた状態でのRMTが実現できるので有れば、特に何とも言いません。
但し、今日のらぐなそあさんの記事の通り、RMTが生み出す大きな問題として、システム上の
弱点をつく行為を容易に生み出しやすいと言うことが挙げられます。
例示をすると、数年前に500円硬貨が新しくなったことは記憶に新しいでしょう。
当時、形状が似ている韓国500ウォン硬貨(日本円で約50円)に簡単な細工をすれば、
国内の大半の自動販売機で500円として通用すると言った事件が起こりました。
事件が明るみに出ると共に、各地で大量に変造硬貨が生み出され、その結果町中の
自動販売機で500円硬貨が使用できなくなってしまいました。
その後、簡単に偽造することが難しい新500円硬貨が発行されましたが、最近はその新500円
硬貨も変造事件が出ており、いたちごっこであることが判ります。
どうしてもシステム上に手薄な部分が有ると、そこを攻める心ない人間は多いのです。
貨幣の弱点として、どうしても「製造コスト<貨幣価値」となる為、偽物を造ろうと画策する輩は
数多くいるのです。
類似の事例も数え上げればきりがありませんが、
・各地の高速道路の回数券
・ハイウェイカード
・テレホンカード
・PAQYカード(パチンコの貸し玉カード)
ざっとこれだけの廃止やシステム変更を余儀なくされている事例があるのです。
特に、首都高速道路の回数券が、発行枚数以上の偽物が出回っているという説もあったり、
変造回数券が金券ショップに持ち込まれ、偽物と知らずに一般人が購入して使用しているケースも
多いのです。
民間のシステム上のデータに貨幣価値を持たせた場合、それを保全させるだけのコストをシステムに
掛ける必要が出てきます。銀行は勿論、電子マネーなどのシステム等でも、正常に処理が行え
なかった場合でも、ほぼ100%追跡可能となるよう、莫大な費用を掛けています。
当然、突然預金残高が0になったり、預けていた預金が目減りでもしたら信用問題に関わります
ので、金融機関でのそれらのシステムは「勘定系」と呼ばれ、システム業界でも全く要求水準が
別物なのです。
また、民間でも広範囲に流通する商品券や有価証券を発行する場合は、一定額の保証金を
積む必要があります。これにより、商品券発行元が破綻した場合に、その保証金から一定額の
払い戻しを受けることが出来ます。(とはいえ2割〜3割程度戻ればよい方みたいですが…)
コスト無視で堅牢過ぎるシステムを構築するより、目に見える悪を駆逐した上での啓蒙活動が
明らかにコストパフォーマンスが良い為、多くの運営会社では規約上でRMTを禁止にしているのです。
現行法や国内の判例上、明確にゲームデータは財物であるという結論は出ていません。
ガンホー規約上、「ゲームデータの権利はガンホー社に帰属する」と言う規定に承諾している為、
データがどうなろうがガンホー社は責任を負わないという一民間契約を締結しているだけなのです。
契約違反=契約破棄もあり得ると言うだけで、実際に破棄をしているかが疑わしいのですが、
ガンホー社側に「契約違反を行っている」と言う明確な物証が挙げられないと、藪蛇となる危険性が
有る為に強く出られないと、ガンホー社に都合良く勘ぐってみるしか正当な理由付けが出来ません。
手っ取り早く契約を遵守させる方法は、やはり法律でしっかりとしたラインを引くことになるでしょう。
契約条項よりも強い、法律という鎖で縛り付けるのです。
しかし、それは現在グレーゾーンであった事が明確に禁止になる可能性も有るのです。
例えば未成年者は参加不可であるとか、機能制限を設けたり、接続時間に制限を設けるなども
考えられるでしょう。
現在自分の中でコントロール出来ていた人まで、規制に縛り付けることにもなるので、その辺も
難しい問題には変わり有りません。
近いうちに明確な解決手段が有ればよいのですが…。
このままでは業界全体が衰退する危険性が高いのですから。
通貨の技術関連はこちらに詳しいサイトがありましたので、読んでみて頂くと面白いかもしれません。
たまたま今日発掘したのでコメントで紹介してみます。
「隠された紙幣の能力」
http://www.bekkoame.ne.jp/~muraoka/shihei_0.html